南 瑠衣@小笠原環境メッセンジャー[ルイいる?blog]
このblogは小笠原環境メッセンジャー@南 瑠衣が自分なりの視点で環境問題を伝える日記です。 清掃活動や環境イベントなどの様子を、随時報告します。
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2009年 03月 10日 (火)
テーマ : 環境 - ジャンル : 福祉・ボランティア
kokoro2009

『歌舞伎町のこころちゃん』著:権徹(講談社刊)を読んで
http://www.ohmylife.jp/life/art/ohmylife_taiken/772?set=1
まず、この写真集を読んで私は言いたいことがある。権徹氏は尊敬すべきジャーナリストの一人である。『歌舞伎町のこころちゃん』を是非、見てみたいと発売当初から熱望していた。それはなぜか?

100年に1度といわれる不況の嵐が吹き荒れ、企業による派遣切りや新入社員の内定取り消し問題。そんな日本が暗い影を落とす中、この写真集の存在を知った。見過ごされた社会のひずみであるストリートチルドレン。先進国である日本に『ついに、日本にもストリートチルドレンという存在がいる時代なのだ』という現実を、社会に真正面から叩き突けるインパクトのある作品だと感じた。世界でも裕福な国である日本。その東京・新宿歌舞伎町に4歳の少女が路上生活をしている、という信じがたい現実。

歌舞伎町で10年以上写真を撮影し続けているフォトジャーナリスト・権徹氏。「歌舞伎町は日本の象徴的な街」「人間の本能の噴出す魅力ある街」だと表現している。最初はカメラを少女に向けるのをためらったという。生まれた時から路上生活であった4歳のこころちゃん。歌舞伎町で路上に寝て、ダンボールに絵を描く。両親を待つ間、ただ無垢な心でゲーム機を眺める姿。こころちゃんを撮り続けた権氏。非常に心の葛藤があっただろう。

ジャーナリズムとは、何か
ホームレスの親にお金を渡して少女の現状をなんとか解決しようとする著者。権氏には、やり場のない思いしかなかった。また、ジャーナリストなら誰にでも共有できる疑問。「いかにもホームレス」「いかにも可哀想」といった境遇を伝えるのが目的であれば、撮影する側にとっては非常においしいネタである。しかし、権氏はそこでシャッターを押せなかった。私は、シャッターを押せなかった事を人として大きく評価したい。カメラマン自体がカメラを通して「取材」に対しての苦悩が大きく伝わった。

権氏はあとがきに『そこまでする必要があったのか』と常に自問自答していたことを述べている。路上で暮らす少女を取り囲む家族の環境をどうにか改善したい。しかし、そこまで自分がするべきなのか?という非常に複雑な心境である。2008年から2009年の年越ししにかけて東京・日比谷公園では年越し派遣村が開かれた。テレビのニュースでは、「いかにもホームレス」という様子の人間を映した。しかし、実際にはもっと若い20代の若者も多く深刻であった。権氏の伝える『歌舞伎町のこころちゃん』は「可哀想な境遇を伝える」お涙ちょうだいが目的ではない。

この写真集が元で親子が離れ離れになる事も危惧し、家族の自立支援を「よけいなお世話」と言ってしまえばそれまでだろう。しかし、ここは豊かな国・日本である。新宿の歌舞伎町に4歳の少女が、ストリートチルドレンとして存在する現実の社会自体を、見直す機会となるインパクトのある作品である。

今一度、家族の幸せとは何か?考えさせられる
この写真集を発表したことが原因で、少女が父親と離れて施設に入るのが幸せなのか?それでも、家族と一緒に親元にいながらストリートチルドレンのままいるのが幸せなのか?

「写真集の印税の一部を一家の支援に」と印税用の口座も開いたという。こころちゃんの語呂にあわせて、556円(ココロ)を基金として養育費として寄付されるという。
少女の写真集=物語は未完である。今もなお、続いているのだ。権氏は、彼女の人生に寄与できる何かをし続けようと生きている。著者である権徹氏にも、どうすべきか答えを出せないままである。しかし、現実と向かい目を背けることなくこころちゃんのいない新宿・歌舞伎町で今日も写真を撮り続けている権徹氏。

最後に、『歌舞伎町のこころちゃん』を読み終えての感想を述べたい。日本のストリートチルドレンという現状に焦点を当てながらもカメラを向ける事への苦悩と葛藤。本書は、日本社会の見過ごされた社会のひずみを切り取った作品である。もしかしたら、この先の不況下の日本に多くのストリートチルドレンを生む可能性があるということも否定は出来ないだろう。この写真と本を悩みながらも製作し、今も歌舞伎町を撮影し続ける権徹氏に、こういったインパクトのある作品で考える機会を頂き、心からお礼を述べたい。非常に考えさせられる1冊である。【南瑠衣】
『歌舞伎町のこころちゃん』
著:権 徹
講談社
2008年12月11日発行
定価:本体1429円(税別)
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コメント
この記事へのコメント
路傍の花のように
沖縄の俳人で写真家のゆーきと申します。
こころちゃん路傍の花のようにちから強く生きてほしいです。
2009/08/18(火) 02:37:59 | URL | とよチャンネル #UAXdWbSg[ 編集]
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